腸と根っこは同じ?鍼灸師が考える食養生その③
↓前回記事はこちら↓
さて前回の続きです。
【④発酵食品…適宜%】
発酵食品は体内消化の最終地点である大腸や
腸内の微生物群を意識した食事を考える上で
かなり重要なポジションといえます。
なぜなら口から食事として摂取した微生物は
そのまま大腸に到達することがわかっているからです。
腸内細菌の群生傾向を変えるプレバイオティクスでは
いかに上手に目的にかなった細菌群&細菌群のエサを
食事で取り込むかを重視しています。
発酵食品と言われて思い出すのが
チーズ・ヨーグルトなどの動物性発酵食品と
お漬物(手作り)・味噌(手作り)・納豆などの植物性発酵食品。
あとお隣韓国のキムチやドイツのザワークラウトなんかもそうですね。両方見ると白菜&キャベツという丸まった葉物野菜がよさそうかもしれません。
【乳製品と日本人】
さて、
私たちの身の回りで動物性の発酵食品がことごとく
乳製品だけというのにも疑問を感じざるを得ないのです。
個人的には日本人には圧倒的に後者の
植物性発酵食品の方が体質に合っているでしょう。
(そういえば、くさやとか鮒寿司は動物性の発酵食品だな)。
元々、日本人は乳製品食べないですからね。
ただネット情報などで流れている
胃で菌は
死滅するというのは半分当たり半分ハズレ。
正確にいうと胃の中では菌は
繁殖できないのであって死滅するわけではない。
Ph1〜3の強酸性の海の中では
留まって増えれないないだけで
食物というシェルターに身を潜めて
なんとかやり過ごす事はできます。
そして大腸内にいる自分の仲間たちと
合流する事はもちろん可能です。
これは最近のオフィシャルな研究で、
食べたもので腸内にいなかった微生物(細菌)を
増やす事ができるという実験でも明らかに結果が出ています。
サプリメントでは胃酸には勝てない?
結論は胃の中で菌は定着できないが通り過ぎて腸に入る事はできる
(ちなみに胃液の中で繁殖できる唯一のツワモノがピロリ菌)。
ですが経口摂取する菌類(乳酸菌含む)は
銭形警部の監視の目を盗み変装して
警察官の群れに紛れ博物館に忍び込む
怪盗ルパン3世と同じく
食物繊維など一般的に消化に手間がかかるものを
シェルターにして胃酸のチェックの目を
かいくぐり腸内に忍び込むので
サプリメントなどで菌単体を入れようとしても
これは胃酸の餌食になると思われます。
なので菌類を体内に送り込み繁殖させようと思うのであれば
食品に混ぜ込んで摂取するのが1番効率的なやり方ですね。
よく考えれば
食中毒も食と一緒に体内に入るから食中毒になるのであって
菌単体では人体を引っ掻き回すに足る数に
自分の分身たちを増やすことは叶わないワケです。
その点で見ても
すでに菌をミクロのレベルで繁殖させている
発酵食品で菌を入れてから育てるのが
1番理にかなっていると思われます。
以上の点を意識するのが大切になります。
【⑤精白された炭水化物・アルコール・糖分の過剰摂取は控える】
基本的に絶対的な禁止はありませんが
ただ、上記の食べ物については控えるのが望ましいですね。
精白された炭水化物(銀シャリや白い小麦粉)・アルコール・糖分…
これらの食品の共通する部分ってわかりますか?
精白した炭水化物は胃の中で外側を溶かされた穀物と一緒。
アルコールは炭水化物をバラバラに細かくして煮詰めて
微生物と混ぜ発酵させ保管することで出来上がります。
糖分は〇〇酸とかいう糖分子がつながっている連鎖糖類を
高温にてグツグツ煮込むことによって精製されます。
そう、
これらはすべて消化器官の仕事を先に済ましているんです。
本来、咀嚼や消化・反芻…など長い時間をかけて
消化管の終わりの方の小腸や大腸などでやっと作り出されるはずの糖類が
人間や昆虫の手によって先に済まされることにより作り出されました。
そのおかげで人類は手っ取り早く、簡単に自分たちの生存に
必要不可欠なエネルギーを摂取する術を獲得できたのです。
(意外にも蛇やサソリの毒も”消化”の範疇に入ります)
さて今回はここまで。
次回はついに食と人類の進化の関係のお話。
↓【理想的な体内土の作り方Vol.4 食と人類の進化】↓
をお送りします。
新・東洋医学シリーズ、次回をお楽しみに!
【腸と土編 Vol.3 理想的な体内土の作り方・その3 おわり】