腸と根っこは同じ?鍼灸師が考える食養生

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【理想的な体内の”土”の作り方】

それでは毎回の食事でよい土を作るには
どうしたらいいか。

それには食事の構成割合が大切になるのは
間違いありませんよね。

理想的な体内”土”の構成要素/割合としては…

【①繊維質を含むもの…40%】

こう書くと難しく思うかもしれませんが、
野菜などの食物繊維を多く含むものを
一番多くとる必要があります。

大腸内の微生物は細胞壁の主要成分である
セルロースなどに代表される繊維質が大好物なので
微生物たちのエサにするにはもってこいの食品たちです。

食物繊維にも「水溶性」と「不溶性」の2種があるので
こだわっている人は調べてみてください。

意外ですが野菜だけではなく日本人にはお馴染みの
ワカメ・昆布などの海藻類は繊維質が豊富。

しかも、水溶性の食物繊維なので消化しやすく
理想的な状態で腸に届くので微生物も仕事に取り掛かりやすい。
優秀な食物繊維食品と言えます。

(日本人の腸は長年の進化によって海藻類から
カロリーを作り出せるようになっている。
残念ながら海藻ダイエットはムリらしい)

人体の内臓の類は植物系なので内臓のことを考えても
葉物・根菜問わず野菜類は多めの方がいいでしょう。

【②タンパク質…30%】

言わずと知れたみんなの大好きな
(ぼくもちろん含む)お肉などの類です。

お肉は美味しいので個人的にはもっと食べたいところですが
「土」の観点からいうと土に栄養を与える土壌改良剤的な
ポジションにあたるのでそこまで量は必要ありません。

タンパク質は動物系(筋肉系・神経系)への栄養と見た方が妥当で
全くとらないと神経系へのダメージがあるでしょう。
脳もほとんどタンパク質と脂肪でできていますしね。

逆に足りすぎていると脂肪細胞に置き換えられてしまいます。
(脂肪にもたくさん利点やおもろいところがありますが
それはまた今度(笑))。

動物性のタンパク質は神経や筋肉に
大部分が吸収されていきそうですが
大豆などの植物性タンパク質は
内臓を構成する平滑筋群に効きそうですね。

ここら辺はまだ研究段階なので
理論的進展あったらシェアしますね。

【③イネ科の全粒のもの…30%】

これまた意外な感じで
おかしく思われるかも知れません。
主食ですがそこまでいらないですね。

しかも忘れてならないのは現代の肉類は
たくさん糖質を含んでいるってこと。

なぜなら牛や豚や鶏、養殖の魚も食事をします。
生き物なのでもちろんエサ食べますよね。
で、何を食べているかというと穀物類を主としたエサですよね。
(ひどいやつはビールまで飲んでいる(笑))

全てが野生だった頃はいざ知らず、ほとんどが家畜な現代においては
肉だろうがその中身は糖質でできている部分が多いって事です。
しかも早く出荷できるように後に出てくる手っ取り早く
エネルギーになるように手を加えて、加工してある穀物です。

最近は加工するだけでは満足せず、
その上のレベルの遺伝子にまで手を出している状態です。
糖質に関しては上記のように別ルートで摂取する機会も多いので
主食といえどそこまで量はいらないことになります。

糖質制限ダイエットは一切炭水化物を取らないのではなく
肉類などの中から最終処理済みの糖質を摂取していることになります。

さて、
イネ科というと真っ先にお米が思い浮かびますが、
小麦や大麦・トウモロコシ・キビ・ヒエなどがあげられます。

意外なところでは笹や竹(!)などもイネ科の植物です。
だからパンダは笹を食んでいるんですね。

【全粒は腸にいい】

次に全粒ということなんですが
つまり精白していないと言うことですね。

お米でいうと玄米に近ければ近いほどいいということになります。
銀シャリは極限まで精白してあるので不向きですね。

小麦であればより茶色いもの。
麦飯とか黒パンとか”ふすま”が入っているものになります。

ちなみに
麦は全粒の状態でも米と比べて煮えにくいので
精白して水と熱を加え煮えやすいように
ローラーなどで潰して食べやすくしたのが押し麦。

基本、すべて色・形はなど触ってないってことで
糠やら”ふすま”とか色んなものが混ざった感じ。

これはすべて胃と小腸での荒行に耐えて
大腸にたどり着くために必要な要素です。

精白すると小腸で吸収されてしまい
大腸に届く前に跡形もなく消えてしまいまうので
微生物くんたちのご飯にはならないワケです。

さてさて、
だんだん盛り上がってきた
腸と土のお話今回はここまで。

次回はついに今話題の発酵とフローラのお話へ。

【腸と土Vol.3 理想的な体内土の作り方・その3】

をお送りします。

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